サーチコンソールのインデックス登録レポートやメール通知で表示される、「重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません」というメッセージについて、表示される理由と必要な対応を説明します。
「重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません」の意味
このメッセージは、サイト内で重複したコンテンツのページが存在するが、サイト制作者による「正規URL」の指定がされていないため、このURLとは別のURLを正規URLと自動的に判断して表示した、という意味になります。このメッセージが表示されたURLは検索結果には表示されません。
サイト内に重複したコンテンツのページを発見した場合、Googleの検索エンジンはいずれか一つを代表的なURLとみなし、「正規URL」として検索結果に表示します。正規URLはサイト制作者もHTMLのcanonicalメタタグを使用することで指定することができ、検索エンジンはそれを参考にして正規URLを自動的に選択します。
重複するページがあるのに「正規URL」の指定をしていない場合に、このメッセージが表示されるという訳です。
対象のページはページインデックスレポートの該当のメッセージの行をクリックすると確認できます。
さらにURL検査ツールを使用すれば、どのURLが正規ページとして選択されたか確認することができます。
重複したページが発生する理由
同じコンテンツに対して複数のURLが発生するのは、単純に同じコンテンツがサイト内の複数箇所に存在する場合もありますが、それだけではありません。
アクセス計測やサイト内検索機能、広告などの用途でURLにパラメータが付与される場合がありますが、この場合に、パラメータだけ異なるURLが多数発生するケースがあります。広告目的であればユーザー毎に固有のパラメータが付与される場合が多いですが、この場合、ユーザーの数だけURLが発生するということになります。
必要な対応
重複コンテンツについては、Googleの公式ドキュメントに以下のように記載されています。
サイト上で重複コンテンツが発生することは通常のことであり、Google のスパムに関するポリシーの違反にはなりません。ただし、同一のコンテンツが多数の異なる URL からアクセスできるようになっていると、ユーザー エクスペリエンスの悪化につながることがあります（たとえば、どれが正しいページなのか、2 つのページに違いがあるかどうかなどの疑問をユーザーが抱く可能性があります）。また、検索結果でのコンテンツのパフォーマンスを追跡することが難しくなる可能性もあります。
URL 正規化とは何か | Google 検索セントラル | ドキュメント | Google for Developers
重複コンテンツがあるからといって、ポリシー違反によりSEO評価が下げられるということはありません。また、よほど大規模なサイト（100万ページ以上）や、毎日更新のあるサイト（かつ1万ページ以上）でもない限り、クロールバジェットの問題も考える必要はありません。
参考：大規模サイトのクロール バジェット管理 | Google 検索セントラル | ドキュメント | Google for Developers
ただし、ユーザーの混乱を生むと考えられる場合や、サーチコンソールやGA等の計測ツールへの影響が懸念される場合には、リダイレクトによるURLの統一や、canonicalメタタグによるURLの正規化が推奨されています。
また、正規URLとして表示されるURLを変更したいケースもあるかと思います。正規URLは検索結果上に表示されるため、ユーザーの目に触れるURLになります。また、サーチコンソールでデータを集計する際にも正規URLで出力されるため、無論サイト設計にもよりますが、余計なパラメータのない、汎用的なURLを指定するのがよいでしょう。
正規URLを変更したい場合には、検索エンジンに正規URLを明示的に知らせることができます。方法としては、301リダイレクトやcanonicalメタタグ、sitemap.xmlがあり、この順に強いシグナルになります。ページ残す必要がある場合はcanonicalメタタグ、そうでなければ301リダイレクトを使用するのがよいでしょう。
ただし、正規URLを指定しても、検索エンジンはヒントとして利用するに過ぎないため、確実に採用されるとは限らないことは留意しましょう。
まとめ
サーチコンソールの「重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません」は、URLの正規化に関するメッセージです。
ペナルティによって順位が下げられるといったことはありませんが、ユーザーへの影響や計測上の懸念がある場合は、リダイレクト・URLの正規化といった必要な対応を行うようにしましょう。
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