SEOとAIOの違い|AI検索がSEOに与えた影響と今後の戦略

ChatGPTやGeminiなどのAIツール普及に伴い、「AI回答によりユーザーはサイトに訪問しなくなるのでは?」「検索のトラフィックは無くなるのか?」といった不安が高まっています。

本記事では、AI時代における検索市場の変化を踏まえ、AIOの概念とSEOとの違いについて解説します。この記事を読むことで、変化する検索環境に対応するための新たなサイト設計の方向性が理解できるようになります。

目次

AI検索の普及により検索方法が変化

ChatGPTなどのAIチャットツールが普及したことで、ユーザーの検索方法そのものが変化しました。これまでは単語を並べるキーワード検索が主流でしたが、現在は文章で詳しい条件や状況を伝える自然言語での質問へシフトしつつあります。

たとえば、オフィスにお掃除ロボットを導入したいケースで考えてみます。AIチャットなら「お掃除ロボットでオフィスを掃除できますか?」とそのまま質問するだけで即座に答えが得られます。従来のキーワード検索でも「お掃除ロボット オフィス 利用例」と入力すれば一定の情報は得られるため、この段階では大きな差を感じないかもしれません。

しかし、さらに詳しい条件を追加したい場面では差が明確になります。「80平米で3部屋あり、全面カーペットのオフィス」といった詳細な条件がある場合、AIチャットならその文章を一括で伝えるだけで条件を満たすスペックや機種を回答してくれます。一方、キーワード検索の場合は「80平米 スペック」「3部屋 対応」「カーペット 掃除」などの単語で何度も検索し、検索結果のタイトルをクリックして表示された各Webサイトの記述を自分で繋ぎ合わせて判断しなければなりません。

これまでのキーワード検索では、複数のページを閲覧して自力で情報を組み立てる作業が必要でした。それに対してAIチャットは、条件を自然な文章で伝えるだけで複数の情報を統合した結果を返してくれるため、情報を探す手間や検索結果をクリックして回る工数が大幅に削減されます。

複雑な調べ物ほどAIチャットの利便性が際立つため、今後は単語を並べるキーワード検索から、自然な言葉で問いかける自然言語への移行がさらに進んでいくと考えられます。

AIの普及によって起こる変化の仮設

Googleは検索連動広告を死守したい

Googleの主力ビジネスはキーワード検索連動型広告であり、ユーザーが検索システムを使い続けることが収益維持の前提です。

ユーザーが外部のAIツールへ流出することは、検索連動広告をメインビジネスとするGoogleにとって大きな打撃となります。

そのためGoogleは、自社の検索環境と広告収入を守ることを目的としてユーザーを検索画面にとどめるため、検索エンジン内にAIを活用した以下の防衛策を導入しています。

防衛策1:AIによる概要

防衛策の1つが、キーワード検索側に導入した「AIによる概要」です。これは現在の検索の使い勝手をそのままに、AIの利便性を提供するものです。キーワード検索をすると、検索意図に応える回答そのものを検索結果に表示します。

ここには参照元サイトへのリンクが付きますが、弊社の調査ではサイトのクリック数が約30%減少するという結果が出ています。これはサイト運営者にとっては非常に大きな痛手です。

ただGoogleとしては、ユーザーが他のAIチャットに移動するのを防ぐため、検索のエコシステム内にとどめるための必要な犠牲と考えているようにも見えます。

防衛策2:AIモード

防衛策の2つめがユーザーが自ら使う「AIモード」です。こちらはそもそもランキングに向かないより複雑な質問が対象です。

非常にピンポイントな対話となるため、ランキングの表示や広告の掲載には向いていません。収益化よりも、AIチャットツールと似たUIを利用してもらうことでユーザーの離脱を防ぐことを優先した機能と言えます。

GoogleのAI検索対策

これらの防衛策によってGoogleは検索のAI化という不可逆な流れに対応しつつ、従来の検索環境を守りながらユーザーを自社のAI機能へ移行させようとしています。

防衛策によるゼロクリック検索増加は必要な犠牲

Googleが「AIによる概要」「AIモード」を導入した結果、ゼロクリック検索が話題になり、サイトのクリック率が大幅にダウンするという現象が発生しています。

一方で、簡潔で効率的な回答を求めるユーザーにとって、検索結果画面で直接答えが得られる体験は利便性が高く支持されています。検索システムにこの防衛機能が存在しなければ、ユーザーはより急速に外部AIツールへ移行し、サイトへのアクセス数はより深刻な打撃を受けていたと考えられます。

その視点において、ゼロクリック検索によるクリック数の減少は、急激なユーザー離脱を抑えるために必要な犠牲と考えられます。

ゼロクリック検索増加に伴うAIO需要の高まり

ゼロクリック検索が日常化したことにより、検索結果のタイトルをクリックさせて自社サイトへ流入させ、アクセス数を伸ばすという従来のSEO手法だけではトラフィックの維持が困難になっています。

また、前述のようにユーザーの検索スタイル自体も変化しています。単語を組み合わせたキーワード検索ではなく、文章による自然言語で具体的な条件を提示し、自分に最適化されたピンポイントの回答を求める傾向が強まっています。AIが複雑な検索意図を理解して即座に回答を作成するため、特定キーワードに対して網羅的な記事を書いて上位表示を狙うこれまでの前提が成り立ちにくくなっています。

今後は単に順位を上げるだけでなく、AIに自社コンテンツのデータを正確に理解させ、AIが生成する回答内で参照元として引用や言及をされることが重要です。こうした背景から、GoogleのAIに対して自社の正確な情報を認識・引用させるための施策であるAIO(AI最適化)への取り組みが急務となっています。

AIOとSEOの考え方の違い

AIOは、競合サイトより上位を目指すSEOとは異なり、自社の価値ある情報をAIに正しく取得させ、再利用してもらうことを目的としています。

AIOの考え方のポイントをSEOとの対比で整理して見ていきましょう。従来のSEOとこれからのAIOには、主に7つの違いが存在します。

評価軸従来のSEOこれからのAIO
① 検索キーワードキーワード起点(検索意図に合わせる)自然言語・文脈起点(キーワードの概念がない)
② コンテンツの価値相対的な網羅性(他社より良く見せる)独自の一次情報(AIが知らないデータ・実体験)
③ サイトの権威性リンク数やドメイン規模信頼性の高い少数の情報源
④ コンテンツの構成1ページ集約型(網羅的な長文)パーツ型(AIが再利用しやすい小さな情報単位)
⑤ 評価の対象範囲特定の単体ページサイト全体の情報
⑥ 目指すべき目標順位・クリック数の獲得AI回答に引用・言及されることとその先の顧客獲得
⑦ 技術的対策クロール・インデックス対策AIが誤解なく正確に読み取れる構造化

① 検索キーワード

SEOでは「SEO 対策」のようにキーワードをはじめに設定し、その検索意図に合わせてコンテンツを作成します。一方、AIOではユーザーがAIに対して対話形式の長い文章で質問を行うため、キーワードの概念自体が存在しません

② コンテンツの価値

SEOでは他社サイトよりも情報を網羅し、上位に表示されるような相対的な評価が中心でした。一方、AIOでは既にAIが学習・保持している一般的な情報の価値は低下し、AIがまだ持っていない独自の調査データ、実体験、具体的な自社事例といった一次情報やその発信者の価値が重要となります。

③ サイトの権威性

SEOでは獲得した被リンクの数やドメインの規模感が評価に繋がりやすい傾向がありました。一方、AIはユーザーへ提示する回答を生成する際、誤情報を防ぐために参照する情報源を厳選します。その結果、少数の信頼性の高いサイトに評価が集中しやすくなります。

④ コンテンツの構成

SEOでは1つのWebページ内に検索意図を満たす情報を網羅した長文構成が有利とされていました。一方、AIOではAIが特定のデータ部分を抽出して回答の生成に再利用しやすいよう、小見出しや段落ごとに小さな情報単位として整理して配置することが求められます。

⑤ 評価の対象範囲

SEOでは個別の記事ページ単体が検索エンジンの評価対象になりやすい構造でした。一方、AIOではWebサイト全体に存在する情報の整合性や、データの一貫性・専門性がサイト全体の単位で評価されます。

⑥ 目指すべき目標

SEOでは検索エンジンの結果画面での掲載順位の向上や、サイトへのタイトルクリック数の獲得を主な指標とします。一方、AIOではAIが生成する回答テキスト内で自社名やサービス名が引用・言及されること、そしてその引用を経由した最終的な顧客獲得をゴールとします。

⑦ 技術的対策

SEOでは検索エンジンの巡回ロボットにページを発見させ、データベースに登録させるクロールやインデックス対策が中心でした。一方、AIは不正確な情報を回答に読み込むことを嫌うため、構造化データマークアップなどを活用してAIが内容を誤解なく正しく処理できるようにする技術的対策がSEO以上に重要となります。

まとめると、AIOとはAIに情報を正しく渡して回答データとして活用してもらうための取り組みです。ユーザーに価値を提供するという本質は変わりませんが、競合との順位争いではなくAIへの情報提供という視点が中心になります。

SEOが生む問題がAIOによって解消される側面

SEOのルールを繰り返し適用することで生まれていた問題は、制約の少ないAIOでは起こりにくくなります。
具体的に見ていきましょう。

従来のSEOが抱えていた「同質化と長文化」問題

これまでのSEOでは、上位表示されるためのルールを繰り返し適用することでコンテンツが同質化・長文化する問題が起きていました。

たとえば「○○とは?」のような単純なクエリでは、後から参入するサイトは1位を上回ろうとして、既存の内容を押さえたうえで独自情報を足していきます。
その結果、コンテンツは少しずつ膨らんでいきます。


さらにSEOはページ単位で評価されるため、情報を分けるより、1ページに集約した方が有利になりやすい面があります。そのため、細かい情報も1か所に集められていきます。


こうした模倣と追加が繰り返されると、検索上位には似た内容の長いコンテンツが並びやすくなります。検索意図が固定されているため、どうしても内容の同質化が起きやすくなりす。


その結果、ユーザーは単純な答えを知りたいだけなのに、長い文章を読まされることになります。作る側も、似た内容を何度も書くことになり、制作コストの無駄が生まれます。

AIOは「自社の一次情報」が評価される

一方AIOで重要なのは、競合との差ではなく一次情報です。
そのため、他社の内容を模倣して付け足すような作り方は基本的に必要ありません。


また、AIは情報を部品として拾うため、1ページに無理に集約する必要もありません。


さらに、そもそもキーワード起点でコンテンツを作らないので、SEOで起きやすかった同質化も起こりにくくなります。


つまり、SEOのルールをまじめに守ることで生まれていた問題は、AIOではかなり起きにくくなります。

検索クエリ種別ごとにAIOとSEOを使い分ける

AIOのメリットをお伝えしましたが、もちろんキーワード検索やランキングのほうが向いているクエリも多くあり、全てがAIに代わるわけではありません。

SEOとAIOは、ユーザーが検索で何を求めているかによって使い分けることが重要です。ここからは、SEOとAIOをどう共存させ、どう棲み分けるべきかを見ていきましょう。

商品などの候補がほしい検索はSEOが強い

キーワード検索の領域には、商品やサービス、ホテル、レストランといった実在するものの検索が含まれます。

こうした検索では、最終的にそのリアルなサイトを訪問して詳しく確認したいという意図があるため、選択肢を提示する検索と非常に相性が良いのが特徴です。そのため、検索広告(リスティング広告等)が多く出稿される部分でもあります。

具体的なクエリとしては、商品やサービス、ホテル・レストラン等の実在するサービスの検索のほか、複雑なハウツーやマルチメディアコンテンツなどが挙げられます。こうした「候補が欲しい」「実サイトを訪れて確認したい」という領域においては、従来通りのランキングやキーワード検索(SEO)が強みを発揮します。

例:「マットレス おすすめ」「確定申告 住宅ローン控除 記入例」(複雑なハウツー)

複雑な回答がほしい検索はAI回答の領域

自然言語の領域にあたるのが、AIによる新領域です。

具体的には、複雑な条件の検索や前提の多い質問、パーソナライズ対応を求めた個別な回答、あるいは漠然とした質問や悩みなどが含まれます。こうした問いは、単一のページだけでは対応しにくく、複数の情報を組み合わせないと答えにくいため、生成AIが大きな力を発揮します。

AI回答の領域では、個別の質問に対して個別に回答を作成することができ、ユーザーと会話を重ねることも可能です。複数の情報を組み合わせた最終回答をその場で生成して提供できる点が、従来の検索にはない大きな強みとなります。

例:80㎟の全面カーペット、3部屋会議室があるオフィスでおすすめのお掃除ロボットはある?

情報検索はAI回答向き

両者が重なる中央の部分にあたるのが、情報検索の領域です。

具体的には、語彙や一般知識の確認、単純なハウツー、歴史的・科学的事実や公開情報の検索など比較的シンプルな質問と回答で完結する分野がこれに該当します。この領域はもともと検索ボリュームが非常に大きく、多くのSEOコンテンツが作成・集約されてきた領域でした。

しかし、同時にここは生成AIが得意とする領域でもあります。シンプルな質問と回答で完結する性質上、現在はAIが最も入り込みやすい領域となっており、急速なAI化が進行しているのが大きな特徴です。

例:温故知新の意味は? SEOとは何の略?

検索クエリ種別ごとにAIOとSEOを使い分けるまとめの図

SEOとAIOを組み合わせて対策する

まとめると、これからは作成するコンテンツごとに、SEOとAIOのどちらにどれだけ比重を置くかを考えていく必要があります。

  • 情報検索の領域: 急速なAI化が進んでいるため、AIO寄りに比重を置く
  • 商品検索(ランキング領域)や複雑な質問(AI回答領域): SEOとAIOの両方の視点で対策を考える

さらに、現在はまだキーワード検索向きに見える領域であっても、今後は徐々にAIが入ってくることが想定されます。だからこそ、今のうちからしっかり準備を行い、AIO対応を進めておくことが重要です。

AIOを取り入れたサイト設計戦略へ

重要なのは、AIの回答の中で自社の商品やサービスが「最適な選択肢」として紹介される状態を作ることです。

そのためには、仕様や特徴、実績、コンセプト、歴史など、自社ならではの情報を幅広く発信することが重要です。

ユーザーが求める答えの中に自社情報が含まれれば、購買意欲の高いユーザーとの接点を増やすことにつながります。具体的なサイト設計については以下の記事で解説しています。

関連記事:AIO対策ガイド|AI検索時代に評価されるコンテンツ構築術

また、こちらの記事の内容はセミナーで詳しく解説しています。こちらもご覧ください。

関連セミナー:AIがSEOと検索に与えた 影響とAIOの考え方

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次