こんにちは、SEO分析ツール「アナトミー」開発チームの本多です。
強調スニペットは、ユーザーの質問形式の検索キーワードに対して端的に答える特別な検索結果の表示方法です。
この記事では、強調スニペットのメリットとデメリット、強調スニペットとして表示させるための方法や、あえて強調スニペットとして表示させない方法について解説します。
強調スニペットとは?
強調スニペットとは、検索キーワードに対する端的な回答が提示されているサイトを、強調した表示形式で検索結果の一番上に表示する仕組みのことです。
表示形式には、大きく3種類があります。
テキスト形式の強調スニペット
最も一般的な表示形式です。検索キーワードに対する回答が、ページ内の画像とともに表示されます。
引用される文章は、一般的に2~3文程度とされています。
表形式の強調スニペット
料金や製品のスペックなど、表の形式で表示されるパターンです。
実際のページでは、tableタグで組まれている部分が引用されます。
リスト形式の強調スニペット
料理のレシピや作業の手順など、リスト形式で表示されるパターンです。
実際のサイトでは、順序があるものはolタグで、特に順序のないものはulタグで組まれています。
強調スニペットとナレッジグラフ、リッチリザルトとの違い
強調スニペットと同様に特別な表示をされるものとして、ナレッジグラフやリッチリザルトがあります。
ナレッジグラフは検索結果の右側に表示され、複数のサイトから情報を集めて表示されています。
リッチリザルトは、通常の検索結果を拡張して表示しているため、基本的には設定されているtitleタグやdescription metaタグの内容が表示され、検索キーワードの回答部分が抜粋されることはありません。また、検索結果の一番上に表示されることもありません。
強調スニペットのメリット
検索結果上で強調スニペットとして表示されるSEO上のメリットは、大きく2つあります。
検索順位1位として扱われる
強調スニペットは、検索結果の一番上に表示されるため、ユーザーの目からは検索順位1位のコンテンツのように見えます。また、サーチコンソール上の検索順位でも、1位として扱われます。
強調スニペットとして表示される前は10位だったコンテンツでも、強調スニペットとして表示されることで1位まで順位が引き上げられるため、1ページ目に表示されるようになってきたコンテンツの、さらなるSEO対策として狙っていく価値のある施策です。
クリック率が上がる
検索結果の1番上に表示されるということは、必ず検索したユーザーの目に入るということです。スクロールしないと見えないような検索順位5位以下のサイトが強調スニペットとして表示されれば、検索順位だけでなくクリック率の向上も見込むことができます。
強調スニペットのデメリット
一見メリットずくめの強調スニペットですが、サイトの性格や現在の順位によってはSEO上のデメリットもあります。
強調スニペットのクリック率は低い
強調スニペットは、その性質上強調スニペット内に検索キーワードの回答が表示されます。
そのため、検索されるキーワードによっては、強調スニペットに表示された内容でユーザーが満足し、サイトへのリンクをクリックせずに帰ってしまう、いわゆる「ゼロクリック検索」が多くなり、クリック率が下がる可能性があります。
また、強調スニペットの見た目が、ナレッジパネルのようにGoogleの生成したコンテンツのように見えるからか、強調スニペットよりも、その下にある通常の見た目の検索結果の方がクリック率が高いというデータもあります。
上記データによると、強調スニペット表示のない通常の検索結果では1位のクリック率が28.5%だったものの、強調スニペットになると23.3%に下がってしまうとのことです。
自身のサイトの検索順位が既に1位の場合は、強調スニペットへの表示を目指さない、むしろ強調スニペットに表示されないことを目指したほうがいいかもしれません。
強調スニペットに表示する方法
では、強調スニペットとして表示されるには、具体的にどのような方法を取ればよいのでしょうか。
一般的に言われている方法と、弊社で試したいくつかの知見をもとに、4つのポイントを紹介します。
対策すれば必ず表示されるとは限らない
はじめにお伝えしなくてはなりませんが、強調スニペットは、構造化データを記述すれば表示されるリッチリザルトのように、表示させるための明確な方法がありません。
これについては、Google側で明確に表明されています。
ご自分のページを強調スニペットとして設定することはできません。Google では、ユーザーの質問に対する回答がページに含まれていることをシステムで判断し、その結果を強調スニペットとして表示します。
強調スニペットとウェブサイト
そのため、ここで紹介している方法を実施しても、必ず強調スニペットとして表示されるとは限らない、という点に注意してください。
Google では、ユーザーの質問に対する回答がページに含まれていることをシステムで判断し、その結果を強調スニペットとして表示します。つまり、ユーザーにとって有益で質の高いコンテンツ制作を心がければ、強調スニペットとして表示される可能性があります。
検索順位10位以内に入る
強調スニペットとして表示されるページは、検索結果の1ページ目、つまり、検索順位10位以内のページから選ばれます。
そのため、検索順位が10位未満のページについては、まずは10位以内に入るようにSEO対策を行う必要があります。
文法的に正しいHTML構造でページを構成する
強調スニペットとして表示されるには、Googleのクローラーにページを正しく読み取ってもらい、検索キーワードに対する正確で十分な回答がページ内に存在することを認識してもらう必要があります。
ページのHTML構造が正しくないと、クローラーがHTMLを正確に理解できず、強調スニペットとして表示されにくくなってしまいます。
また、画像を使用している場合にはalt属性を正しく設定するようにしてください。人間には画像を理解できても、クローラーには画像を理解することはできません。
強調スニペット対策に限らず、クローラーにHTMLを正しく認識させることはSEO上重要なので、HTMLが文法的に正しく記述されているかどうかは常に確認しておくようにしましょう。
- 関連記事:h1タグの書き方
- 関連記事:SEOに効果的な画像の配置方法・使い方
テーブルやリストで情報を表現する
強調スニペットにはテーブル型やリスト型で表示されることがありますが、これはHTMLが<table>タグや<ul>タグ・<ol>タグで記述されるときに採用されます。
したがって、コンテンツ内で表形式の情報や箇条書きの情報があれば、<table>タグや<ul>タグ・<ol>タグで記述するようにしてください。また、ulタグは箇条書き、olタグは順序(順番)を表すリストに利用します。
このように、文書の意味に合ったHTMLタグを利用することをセマンティックHTMLと呼びます。検索エンジンが情報を理解しやすくなるので、積極的に利用しましょう。
「XXとは〇〇です」の形式
強調スニペットとして表示されやすい言い回しは、1文目で「XXとは〇〇です」と検索キーワードに対する回答を提示し、2文目で補足や追加などの関連情報を補強していく形式です。
このとき、1文目では「~といわれています」などの曖昧な言い回しではなく、しっかり断定することが重要です。もちろん、正解のないもの、諸説あるようなものについて断定してしまうのは情報の信頼性の問題、ひいてはサイトの信頼性の問題につながり、サイト全体の検索順位の低下につながりかねないため、NGです。
端的な文章で説明する
仕様が公開されているわけではないので経験則からの説明となりますが、強調スニペットに表示されやすい文章は、概ね200文字程度、2~3文で構成されています。
検索キーワードに対する回答と関連情報の情報量の一つの目安として考えてください。
強調スニペットに表示させない方法
強調スニペットに表示させる方法は未公開ですが、強調スニペットに表示させない方法は明確に定義されています。3種類の方法それぞれについて解説します。
各タグや属性の詳しい説明は、ウェブマスター向け公式ブログ(Google 検索におけるコンテンツのプレビューをもっと制御できるようになります)や、Google検索デベロッパーガイド(robots メタタグ、data-nosnippet、X-Robots-Tag の仕様)を参照してください。
nosnippetタグを使う
nosnippetタグは、robotsメタタグの一種で、スニペット表示を拒否する場合に使用します。
nosnippetタグの設定されたページは、強調スニペットには表示されず、さらに、検索結果上に表示されるのはタイトルのみになります。
このタグを使うと、検索結果のスニペットやリッチリザルトも表示されなくなるという点に注意が必要です。
タグの書き方は以下のようになります。
<meta name="robots" content="nosnippet">
max-snippetタグを使う
max-snippetタグは、robotsメタタグの一種で、スニペットの文字数制限を行う場合に使用します。
こちらは強調スニペットと検索結果のスニペットの両方に影響する設定なので、「検索結果のスニペットは表示したいが強調スニペットにはしてほしくない」という希望にこたえることができます。
文字数の指定なので、設定しているディスクリプションの文字数を調べ、その数字を指定するとよいでしょう。
なお、値に0と-1を設定した場合には、それぞれ特別な挙動をします。
設定値 | 挙動 |
---|---|
0 | スニペットは表示されません。nosnippet と同じです。 |
-1 | ユーザーがコンテンツを見つけやすく、サイトへの誘導に最も効果的と考えられるスニペットの長さが、Google により選択されます。 |
1以上 | 指定された文字数以内でスニペットを表示します。 |
引用:https://developers.google.com/search/reference/robots_meta_tag?hl=ja
タグの書き方は以下のようになります。
<meta name="robots" content="max-snippet:110">
data-nosnippet属性を使う
data-nosnippet属性は、spanタグ、divタグ、sectionタグの3種類に設定できるGoogleの独自属性です。
設定されたタグに記述されている内容がスニペットとして使用されなくなります。
以下のように属性を設定します。
<span data-nosnippet>あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら</span>
強調スニペットに表示されたか確認する方法
強調スニペットとして表示されたかどうかを調べるには、いくつかの方法があります。
それぞれの方法について、簡単に解説します。
実際に検索してみる
一番手っ取り早い方法です。強調スニペット対策を行ったキーワードで実際に検索をかけて、強調スニペットが出力されているかどうかを確認します。
ただし、網羅的なチェックはできないため、実は別の検索キーワードでは強調スニペットとして表示されていたとしても、チェックから漏れていれば確認ができません。
Google サーチコンソールで確認する
強調スニペットをクリックすると、強調スニペットとして表示されていた部分がハイライトされ、その部分までスクロールした状態でページが表示されます。
このとき、アクセスされるURLには「#:~:text=」で始まるハッシュが付いています。
Googleサーチコンソール上で、このハッシュ部分で絞り込んで検索すると、強調スニペットとして表示されたページを確認することができます。
ただし、こちらもあくまでユーザーが検索したキーワードで強調スニペットが表示されたものなので、ユーザーが検索しなかったような、検索ボリュームの低いキーワードについては確認ができません。
2021年9月現在では、上記フラグメントが記録されなくなっています。
SEMrushのPosition Trackingで調べてみる
SEO対策ツール「SEMrush」のPosition Tracking機能で、強調スニペットの出現状況が確認できます。
有料のツールなので他の方法ほど手軽には試せませんが、既に導入済みの場合には、確認してみてもいいかもしれません。
強調スニペットは日々変わる可能性がある
強調スニペットは、一度表示されればずっと表示され続ける性質のものではありません。日々、場合によっては数時間で強調スニペットとして表示されるサイトが変わったり、強調スニペット自体がなくなったりします。
また、強調スニペットの仕様自体も変更される可能性があるため、日々の順位チェックやGoogleからのアナウンスの確認を怠らないようにしましょう。
まとめ
強調スニペットのメリット、デメリットと、表示させるためのポイントを解説してきました。
現在の検索順位によって、強調スニペットに表示されるように対応するべきかどうかは変わってきますが、強調スニペット表示のための対策は、一般的なSEO対策につながるコンテンツ改修にもなるため、基本的には強調スニペットに表示されるように対策を進めていき、表示されてから改めて考える、という方針で良いでしょう。
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