AIのビジネス活用が進む中、Googleが提供するAgent Search(旧Vertex AI Search)というサービスへの注目が高まっています。
本記事では、Agent Searchの特長やユースケースについて分かりやすく解説します。
Agent Search(旧Vertex AI Search)とは
Agent Searchは、Googleが培ってきた検索技術と生成AIを統合した、自社データ特化の高度な検索サービスです。
Webサイトの情報や、PDF、Wordといった社内に散在するドキュメントを読み込ませるだけで、自社専用の強力な検索エンジンを構築できます。また、検索した情報に基づいてAIが要約を作成して回答する機能を有しています。検索自体も自然言語で行えるため、AIチャットボットとしての運用も可能です。
サービス名称は変遷を重ねています。過去には「Generative AI App Builder」「Enterprise Search」「Vertex AI Search and Conversation」「Agent Builder」「AI Applications」「Vertex AI Search」といった名称でした。そして2026年4月から「Agent Search」という現在の名称が使われています。
Agent Searchの仕組み

Agent Searchの仕組みは大きくデータの取り込みと回答の生成に分かれます。
システム管理者がWebサイトのドメイン指定やPDF等のファイルアップロード、BigQueryとの連携を行うと、Agent Searchはそれらのデータソースから情報を収集し、構造化・チャンク化・ベクトル化といったデータ処理を行ってデータストアに蓄積します。
ユーザーが質問を入力すると、Agent Searchがその意図を解析して最適な検索用クエリに変換した上で、データストアに対して検索を実行します。
検索結果は、関連性の高いドキュメントを一覧表示するランキング形式と、ドキュメントから抽出された内容をもとにAIが回答を作成する要約形式、あるいはその両方の組み合わせを選択できます。要約を生成する場合は、情報の根拠となる参照元もあわせて提示されます。
Agent Searchの特長
最新の情報に基づく回答生成
Agent SearchはデータストアにWebページやPDF、テキストファイルといった情報を登録しておき、その情報を元に実際に検索を実行して回答を生成するという仕組みです。そのため、データストアの情報に基づいた最新の情報を元に回答することができます。
学習済みのデータを元に回答を生成する一般的な生成AIでは、学習データに含まれていない最新の情報には対応できません。
データソースを自社のデータに限定できる
Agent Searchはデータソースを厳密に指定できるため、出所の不明な情報を元にした不正確な回答や、実在しない情報をAIがでっち上げるハルシネーションを防ぐことができます。
また、社外に出ていない情報をデータソースとして回答を生成することも可能です。
データソースの構築が容易
前述の特長を持った検索システムまたはAIエージェントを構築する場合、一般的にはRAG(Retrieval-Augmented Generation)という仕組みが用いられます。しかし、通常のRAG構築では、データソースとなる文書のチャンク分割(細分化)やベクトル化など、AIが検索しやすい形へ加工する複雑な前処理が必要となります。
Agent Searchでは、WebサイトのURLの登録やファイルのアップロードだけでこれらの処理が自動的に行われるため、データソースの構築が容易です。データソースはJSONやBigQueryなどの構造化データだけでなく、プレーンなテキストファイルやPDFなど非構造化データにも対応しています。
Googleの知見が活用された高度な検索機能
ベクトル検索は、意味の類似性での検索に強い一方で、特定の品番や専門用語などの完全一致での検索を苦手としています。 Agent SearchはGoogleの検索技術がベースとなっており、自然言語の検索に強いベクトル検索と専門用語や品番などの検索に強いキーワード検索の組み合わせにより精度の高い検索が可能です。
柔軟な回答が可能
Agent Searchでは従来のサイト内検索のように、入力した内容にマッチするページやドキュメントをランキングとして表示できるほか、それらのデータソースを元にした要約を表示することも可能です。ユースケースに合わせて適切なUXを構築することができます。
エンタープライズ水準のセキュリティ
Agent Searchでは、データソースやプロンプトの内容がモデルのトレーニングに使われることはありません(データ ガバナンスと生成 AI | Agent Search | Google Cloud Documentation)。IAMによるデータストアの権限制御や、VPC Service Controls(VPC-SC)によるデータ保護も可能です。またポルノ、暴力、流血などのコンテンツを含む回答を防ぐためのセーフサーチ フィルタといったセキュリティ機能も提供されています。
特徴比較表
| 従来のサイト内検索 | 通常の生成AI (RAG無し) | 生成AI + RAG | Agent Search | |
| 検索精度 | キーワードの完全一致 | 学習データを基に回答(検索機能はなし) | 言葉の意味や文脈を理解して検索 | 言葉の意味や文脈を理解。キーワード検索との組み合わせで専門用語・品番検索にも強い |
| 自社データの参照 | 参照可能 | 原則不可(プロンプトに入力した範囲のみ) | 参照可能 | 参照可能 |
| 構築の難易度 | 中 | 易 | 難 | 易~中 |
| 回答形式 | 文書のリンクを表示するのみ | 回答の生成のみ | リンクと要約の生成が可能 | リンクと要約の生成が可能 |
Agent Searchのユースケース
社内ナレッジの検索ツール
社内情報をデータソースに指定できるという特長を生かして、大量の社内規定・マニュアル・議事録から、必要な情報をAIが即座に探し出して要約して出力します。膨大なファイルから情報を探したり、社内問い合わせをしたりと多くの時間がかかっていた情報検索を効率化する強力なツールとなります。
カスタマーサポートの自動化
Webサイト上のFAQやカタログ表、製品仕様が掲載されたPDF等をデータソースとしてAgent Searchに連携させることで、顧客からの問い合わせに自然な言語で回答できるカスタマーサポートとして利用できます。
高度なサイト内検索
Webサイトを隅々まで見なくても、自然な言葉で聞くだけで必要な情報が書いてあるページとその要約を表示する、高度なサイト検索として活用できます。例えばECサイトで「冬のキャンプに着ていく服」という検索に対して適した商品ページを紹介したり、膨大なブログサイトから関連するページをピックアップして要約を表示したりといった活用ができます。
まとめ
Agent Searchは、手軽に高機能なサイト内検索やAIエージェントを構築できるサービスです。複雑なデータ処理の実装をすることなく、自社データに基づいた精度の高い回答が実現できます。
Agent Searchの強力な検索機能を自社のWebサイトに最短かつ安全に導入したい方におすすめなのが、AIサイト内検索サービス「SiteAsk(サイトアスク)」です。
- Agent Searchを採用、回答データの作成や保守が不要
Agent SearchがWebサイトのデータから自動的にRAGを構築するため、面倒なデータ処理は不要です。Webサイトの更新と共にデータは更新されるので、運用中のデータ保守も不要です。
- 強力なハルシネーション防止機能
Agent Searchの安全構造に加え、SiteAsk独自の「3層AIガードレール」を搭載。悪意のある質問による不適切な回答やブランドを毀損する回答をブロックします。
- システム改修不要で導入可能
Googleタグマネージャー(GTM)を利用してタグを設置するだけで導入できるため、既存のシステムやサイトのソースコードを改修する必要がありません。
Agent Searchの技術を活用して、自社サイトの検索体験を劇的に向上させたい方は、ぜひSiteAskの導入をご検討ください。








