Agent Search(旧Vertex AI Search)のグラウンディングとは

Agent Search(旧Vertex AI Search)は、Googleが提供するAI検索エンジン構築サービスで、高度な自然言語処理や生成AI技術を活用した検索システムを簡単に構築できます。

一般的な生成AIとは異なり、実際のドキュメントやWebサイトを検索した結果を根拠として回答を生成する「グラウンディング」により、非常に精度の高い回答が可能です。

本記事では、Agent Searchのグラウンディングについて解説します。

目次

1. グラウンディングとは

グラウンディングとは、生成AIの回答を信頼できる外部のデータベースやドキュメントと紐づけ、出力の精度を高める仕組みです。

通常、ChatGPTやGeminiなどの生成AIは事前学習した知識だけに頼って回答を作成するため、事実とは異なる情報を出力してしまう「ハルシネーション」が発生することがあります。

グラウンディングを導入することで、このハルシネーションを抑え、事実に基づいた回答を生成できるようになります。社内規定や専門データを扱うビジネス環境において、出力される情報の正確性を担保するために不可欠な仕組みです。

2. Agent Searchによるグラウンディングの仕組み

2-1. RAGとグラウンディングの関係

グラウンディングは生成AIの出力を事実に基づかせるための仕組みであり、それをシステムとして実現する具体的な技術がRAG(検索拡張生成)です。

Agent Searchは、このRAG技術を標準搭載したサービスです。自社のドキュメントやWebサイトをAgent Searchに連携するだけで、AIが自動で関連情報を検索し、それを根拠に回答を作成する環境が整います。つまり、Agent Searchに自社データを紐づけること自体が、RAGを活用したグラウンディングの実装にあたります。

また、Agent Searchの検索機能はマルチステップ推論に対応しています。複雑な質問を受けた際も、システム内で問いを細分化して段階的に検索を行うため、一度では見つけにくい情報を的確に抽出できます。この高度な検索能力によって事実データの質が向上し、結果として、より信頼性の高いグラウンディングが可能になります。

2-2. RAGを使用して根拠のある回答を生成する流れ

Agent Searchにおいて、ユーザーの質問から回答が生成されるまでのプロセスは以下のステップで進行します。

Agent Searchにおいて、ユーザーの質問から回答が生成されるまでのプロセス
  1. ユーザーがチャット画面などに質問を入力します。
  2. Agent Searchが入力された質問を解析し、マルチステップ推論を用いて複雑な問いを細分化しながら、連携された社内のデータストアに対して検索を実行します。
  3. 検索結果の中から、質問に対する回答の候補となる関連性の高いテキスト部分を抽出します。
  4. ユーザーの質問と抽出した関連情報を組み合わせたプロンプトを、システムが自動で構築します。この際、AIへ「抽出した情報のみに基づいて回答する」という制約を与えます。
  5. 生成AIが、ステップ4で提供された関連情報のみを事実の根拠として回答を生成し、引用元のリンクとともにユーザーへ提示します。

このプロセスのうち、ステップ4で抽出した事実データをプロンプトに組み込んで制約を与え、ステップ5でその情報源から逸脱しないように回答を生成させる処理において、グラウンディングが直接的に機能しています。これにより推測を排除した正確な出力が可能になります。

3. Agent Searchのグラウンディングの精度を確認・評価する方法

Agent Searchによって生成された回答が、本当に参照元のデータに基づいているかを確認し、評価するための主な方法は2つあります。

3-1. コンソールのプレビュー機能による定性的な評価

Google Cloudコンソールの画面上で、実際の検索やチャットの動作をテストして確認する方法です。
作成したアプリケーションに移動し、構成タブでチャットのテストを実行できます。

プレビュー画面に想定される質問を入力すると、生成された回答とともに、根拠となったドキュメントの引用元リンクが表示されます。このリンクから実際のドキュメントの記述と照らし合わせることで、意図した情報が正しく参照され、正確な回答が生成されているかを目視で手軽に検証できます。

作成したアプリケーションの構成タブでチャットのテストを行う

3-2. グラウンディングスコアを用いた定量的な評価

システム側で自動的かつ定量的にAgent Searchの回答のグラウンディング精度を評価したい場合には、グラウンディングスコアを利用します。

グラウンディングスコアは、生成された回答とその根拠となる文章を比較し、回答がどの程度事実に基づいているかを自動で採点した得点です。APIを使って回答を生成する際に、オプションを指定することで取得することが出来ます。

グラウンディングスコアでは、以下のデータが返されます。

  • 回答全体のサポートスコア
    回答全体が参照テキストによってどの程度裏付けられているかを示す数値です。このスコアは0.0から1.0の範囲で出力され、1.0に近いほど事実に基づいた正確な回答であることを意味します。
  • 文章単位でのサポートスコア
    APIは、AIが生成した回答を細かい文章単位(主張)に分解して評価します。それぞれの文章がドキュメントのどの部分に裏付けられているか、あるいは裏付けとなる事実が存在しないかを個別に判定し、文章単位でサポートスコアを算出します。

ここで取得したサポートスコアを活用してシステムを制御できます。例えば、スコアが事前に設定した閾値を下回った場合、事実と異なる情報が含まれるリスクがあると判断し、ユーザーへの回答出力をシステム側で自動ブロックするといった制御が可能です。これにより、客観的な数値に基づいてシステムの応答品質を安全に管理することが可能になります。

については、以下の公式ドキュメントをご覧ください。

4. まとめ

Agent Searchのグラウンディングは、RAGの技術を活用して生成AIの回答を信頼できる情報源を提供させる仕組みです。ハルシネーションを防ぎ、企業のデータを安全かつ効果的に活用します。

このAgent Searchの強力な検索機能を、自社のWebサイトに最短かつ安全に導入したい方は、当社のAIサイト内検索サービス「SiteAsk」がおすすめです。

SiteAskの特徴は以下の通りです。

  • 回答データの作成や保守が不要
    通常のサイト内検索を作成する際、RAGの作成など回答データを作成しますが、SiteAskでは、Agent SearchがWebサイトのデータから自動的にRAGを構築するため、面倒なデータの作成は不要です。Webサイトの更新とともにデータも自動で更新されるため、運用中のデータ保守にかかる手間を削減できます。
  • 出力のテスト機能を搭載
    想定されるユーザーからの質問をリスト化して簡単にテストできます。
    ソースドキュメントの更新確認や、システム精度の客観的な評価にお役立ていただけます。
  • システム改修不要で導入可能
    Googleタグマネージャーを利用してタグを設置するだけで導入できるため、既存のシステムやサイトのソースコードを改修する必要がありません。

Agent Searchの技術を活用して、自社サイトの検索体験を向上させたい方は、ぜひSiteAskの導入をご検討ください。

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