INPの問題とは：スコアの概要と確認方法、改善すべき箇所の調査方法を解説します
こんにちは、Webサイト分析ツール「アナトミー」開発チームの宇都宮です。
サーチコンソールの ウェブに関する主な指標レポート では、Core Web Vitals に基づいたユーザーエクスペリエンスの状況を確認することができます。当記事では、Core Web Vitals の指標の一つ、INP（Interaction to Next Paint）に着目して、指標の概要と確認方法、ボトルネックを特定する方法について解説します。
INP（Interaction to Next Paint）とは
INPはページの応答性を評価する指標です。ページに対するクリックやタップ、キーボード入力といったユーザーの操作に対して、視覚的な応答をスムーズに返せているかが評価されます。
INPが優れていると判定されるためには、200ミリ秒以下 で応答する必要があります。200～500ミリ秒の場合は改善が必要とされ、500ミリ秒を超える場合は応答性が低いと評価されてしまいます。また、サイトのページビューの 75% 以上が「良好」のしきい値を満たしていれば、そのサイトはその指標のパフォーマンスが「良好」に分類されます。
INPの評価対象になるユーザーの操作は以下の３つです。マウスホバーやスクロールは評価対象に含まれません。
- マウスでクリック
- タッチスクリーンでデバイスをタップ
- 物理キーボードまたは画面キーボードのキー入力
INP は、ユーザーがページから離れたときに計算されます。例えば、あるページをユーザーが表示し3回マウスをクリックしてページから離れた場合は、3回のクリックに対する応答速度を元にして、そのページの全体的な応答性を表す単一の値になります。
INPとFID（First Input Delay）の違い
INPはFIDの後継指標です。FID はページでの初回の操作に対する応答性を測る指標ですが、INPはページを表示している期間全体の応答性を測る指標です。なお、2024 年 3 月に Core Web Vitals としての FID は削除され、INP に置き換えられました。
INPの確認方法
実際に INP の値を確認してみましょう。INP はGoogleが提供する計測ツール「PageSpeed Insights」で計測することができます。ツールにアクセスして計測対象のURLを入力するだけでINPの値を確認することができます。
試しに弊社が運営しているレンタルサイクル事業 RIDEAWAY の ホームページを測定してみましょう。PageSpeed Insightsを開き、画面上部のテキストボックスにURLを入れ計測ボタンをクリックします。数十秒で結果が表示されます。
改善すべき箇所を見つける方法
PageSpeed Insights では、ページ全体のパフォーマンスに関する多くの情報を提供しますが、ユーザー操作毎の詳細なINPスコアは確認することはできません。より詳細にINPを分析する方法として、Chromeのアドオンの「Web Vitals」を利用する方法があります。
「Web Vitals」を使うと各ユーザー操作個別のINPを確認できるので、INPのボトルネックを探すのに役立ちます。
アドオンの導入は下記アドオンのサイトにアクセスし、Chromeに追加ボタンから追加できます。
https://chrome.google.com/webstore/detail/web-vitals/ahfhijdlegdabablpippeagghigmibma
アドオンを追加した状態でChromeの開発者ツール（F12キーで起動）を起動すると、開発者ツールのコンソールに測定結果が表示されるようになります。試しにページをクリックしてみると、下記のようにINPの測定結果を確認することができます。（赤枠部分）
まとめ
当記事ではサーチコンソールで表示されるINPの問題について、確認方法やボトルネックを探す方法を解説しました。Core Web Vitals はGoogle検索のランキング要因の一つとされています。Core Web Vitals の一指標であるINPスコアが良好だからといってGoogle検索上の表示順位が上がるとは限りませんが、INPの改善自体は優れたユーザー エクスペリエンスを提供するためにも重要な施策です。今回ご紹介した方法が、INPの現状確認、スコア改善の参考になれば幸いです。
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