URL変更によるSEOへの悪影響とその対策

既存のページのURL変更は検索トラフィックの減少や、順位の低下などSEOへの悪影響を与えることがあります。一方で、適切な対策と変更の狙いを明確にすることで、URL変更によりリスクをコントロールし、より良いSEO評価獲得に繋げることもできます。

目次

URL変更がもたらす悪影響

URLの変更は、SEO評価に影響を与えると考えます。その影響は、検索順位の低下・トラフィック減少のような悪影響もありますが、順位の向上・トラフィック増加のようなポジティブな影響の場合もあります。URL変更による悪影響について調査されている方はおそらく、ブランディングやシステム変更など、SEO目的ではない、外部的な必要性からURL変更を行わなければならない状況の中、デメリットやその回避策を調査されているものと思います。

URL変更により、SEO集客に悪い影響が出るのは以下の3つの理由と考えています。

  1. 前URLの再評が引き継がれなかったことによる、一時的な評価の低下
  2. 再評価時の評価の適正化(結果として低下)
  3. ドメイン変更によるドメインパワーの低下

それぞれの原因と対策から説明します。

1.前URLの評価が引き継がれなかったことによる一時的な評価の低下

URL変更時に、単純にリリースしてしまうと、Googleは移転後のURLを新規のコンテンツとみなし、評価します。移転前のURLの実績(古さ、クリック獲得などから得られたユーザー評価、その時間的な蓄積)が考慮されないため、新URLは評価が劣ります。
とはいえ、同じコンテンツを配信するのでいずれ同じような評価に回復することが想定されます。そのため、低評価は一次的なものとなります。

評価が回復するまでの期間はサイトにより異なりますが、過去の経験では2週から3カ月程度で(回復するURLは)回復がみられました。
対策としてリダイレクト設定を正しくすることがあります。これは、ドメイン変更時も、サイト内でのURL変更の際も同様です。

2.再評価時の評価の適正化(結果として低下)

URLが変更されると、Googleは新URLに対して、URLの検出・クロール・インデックス登録の一連の動きを行います。その過程で改めてコンテンツの評価・ランキングがなされます。まったく同じコンテンツを配信していても、そのタイミングで評価が変動することがあります。

画像はURL変更前後のページ別クリック数の増減率です。45ページ分のデータを表示しています。青いセルは増加したページ、赤セルは減少したページです。セル上の数値は、URL変更前の1か月間と変更後の1か月間でのサーチコンソールのクリック数を比較した増減率です。

Webサイト分析ツール「アナトミー」のタイルビュー画面

いずれも月間1000~数万クリックを獲得しているSEO評価の高いページです。同じブログの記事でも変更前後で増加・減少するページがあり、増減率もまちまちです。

クリック数の減少が見られたページのキーワードを分析すると、下記の2グループのキーワードが減少していました。

  1. もともと記事内でメインに取り扱っていなかったトピックのキーワード
  2. サイト内により適したコンテンツがあるキーワード

いずれのキーワードも、実際の記事の内容と照らし合わせるとあまりマッチしているキーワードとは言えないものでした。

記事内容は全く変更しておらず、リダイレクトを正しく設定しても、URL変更のタイミングでコンテンツの評価が改められ、適正でないキーワードでの評価が下がったものと見えます。サイトオーナーとしては、クリック減少は望ましくありませんが、客観的にみれば、もともと獲得していたキーワードがあまり適正でなかったため、この再評価は適正な評価に是正されたように受け取れます。

このような変動への事前の対策はありません。しかしながら、URL変更後にインデックスを失った/順位が下がったキーワードについて、新規に記事を作成する、該当URLにトピックを追加するなどにより適切な追加コンテンツを用意することはトライする価値のある施策です。

過去の実績から、このサイトは該当のキーワードで評価を獲得するためのドメインパワー/オーソリティは保持していることがわかっているので、適切なコンテンツを用意できれば、また同様のキーワードで高い順位とクリックを獲得できる可能性があります。

3.ドメイン変更によるドメインパワーの低下

ドメイン変更はSEO評価への影響を与えます。コンテンツの評価については、ページ単位での評価が第一ですが、どのサイトで(誰が)発信しているかも影響します。

そのため、新規のドメインへのURL変更の場合、変更前と同様の評価を得られない場合があります。ドメインの影響については、別稿としていずれ詳細を書きたいと思います。

URL変更時に行うことチェックリスト

URL変更については、Googleの公式ドキュメントである検索セントラル内でも詳しくガイドされています。大規模サイトや、すでに高いSEOパフォーマンスを持っているサイトオーナーは該当ドキュメントは必ず確認するようにしてください。

サイトを移転する方法

下記は主に行う設定変更・確認のリストです。

項目概要
リダイレクトの設定適切なリダイレクトを設定します。リダイレクトには色々な方式があるため、ドキュメントを元に適切な方法でリダイレクトします。リダイレクトはできるだけ長く保持します(一般的には 1 年以上)。多重でのリダイレクトについても、Googleは対応できますが、推奨はされないため、なるべく整理して対応しましょう。
サイト内のリンクの変更サイト内部のリンクを新URLに書き換えます。コンテンツ間のリンクもGoogleがサイト構造を理解するための材料となります。リダイレクトをかけていても、新URLに変更しましょう。
URL正規化の設定、制御canonical設定など、基礎的な変更は確認します。言語別のURLや、ディレクトリトップとindex.htmlなどURLの違いをどのように処理するかなども気を付けておきたいところです。
robots.txt の変更クロール制御についても新URLに適用させます。
sitemap.xmlの変更大型サイトでsitemap.xmlをメンテナンスしている場合はsitemap.xmlも更新します。新URLのクロール促進となります。
設定変更・確認のリスト

今回は、URL変更にかかるリスクについて書きました。URL変更については、サイトの構造変更というSEO施策においても発生します。より高いSEO評価・トラフィックの獲得を目指した施策としてのURL変更については、また別に書きたいと思います。

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