WebサイトのリニューアルやURL変更時に301リダイレクトが不適切に設定されていると、評価の正しい引き継ぎが行われず、検索順位の下落や回復までに長期間を要するリスクがあります。
本記事では、使える実装と検証の手順を解説します。
301リダイレクトの基礎知識については、以下の記事をご覧ください。

本記事には、エンジニアが実際に作業で使用するプログラミングコードやサーバー設定が含まれています。マーケターの方は、「自分でやる範囲」と「エンジニアに依頼する範囲」を分けるためのガイドとしてご活用ください。技術的な詳細は、そのままエンジニアの方へ共有していただけば大丈夫です。
【事前準備】SEO評価を守り抜く「対応表(マッピングリスト)」の作成
スムーズな移転には、新旧URLを紐付ける「設計図」が不可欠です。ここはサイト構造を熟知したマーケターが主導すべき重要フェーズです。
1. 移転の2大原則
完全一致の原則
旧URLを新トップへ飛ばすのは厳禁。必ず「1対1」で関連性の高いページへ繋ぎましょう。
不要ページの整理
代替ページがない場合は、無理に転送せず「404/410」でインデックスから削除しましょう。
2. 対応表(マッピングリスト)作成イメージ
Excel等で以下のように整理し、エンジニアへ共有します

301リダイレクトの書き方は?環境別の設定手順
サイトの管理環境によって設定方法が異なります。
WordPressのプラグイン「Redirection」で設定する
★マーケター・初心者の方でも対応可能
WordPressを使用している初心者の方はプラグインで設定することをおすすめします。サーバーの重要ファイルを直接編集せずに済むため、最も安全な方法です。
手順
Redirectionを利用するには、まずインストールします。
- 自分のWordPressサイトにログインします。
- 左側のメニューにある[プラグイン]>[新規追加]を選択します。
- 画面右側の検索窓に「Redirection」と入力します。
- [インストール]を選択します。
- インストールが終わったら[有効化]を選択して完了です。
インストールした後は、次のように初期設定します。
- [ツール]-[Redirection]メニューを選びます。
- [セットアップを開始]ボタンをクリックします。

- 「WordPressの投稿と固定ページのパーマリンクの変更を監視」をチェックします。
- 「すべてのリダイレクトと404エラーのログを保存する」をチェックします。
- [セットアップを続行]ボタンをクリックします。

これで初期設定が完了です。
リダイレクトルールを手動で設定する場合は、次のように設定します。
- [転送ルール]タブを選択します。
- [新規追加]タブを選択します。

- ソースURLに転送元のURLを入力します。
- ターゲットURLに転送先のURLを入力します。
- [転送ルールを追加]ボタンをクリックします。

Apacheサーバー(.htaccess)で設定する
★エンジニアに依頼推奨
サーバーレベルで高速かつ確実に転送する方法です。
以下の記述例をエンジニアに共有してください。
特定のページをリダイレクトする場合
例えば、https://example.com/aaa を https://example.com/ccc にリダイレクトするには、次のように記述します。
Redirect 301 /aaa https://example.com/ccc
または
RedirectPermanent /aaa https://example.com/ccc
注意点:
Redirectディレクティブは、指定したパスから始まるURLがすべて対象になります。
例:/aaa/infoにアクセスした場合、自動的にhttps://example.com/ccc/info へ転送されます。
特定の1ページのみを完全に一致させてリダイレクトする場合
特定のURLに完全に一致する場合のみ転送したいときは、正規表現が使える RedirectMatch を使います。
RedirectMatch 301 ^/aaa$ https://example.com/ccc
ドメイン全体をリダイレクトする場合
「[疑わしいリンクは削除されました]」から「b.com」へサイト全体を移転させる場合は、次のように記述します。
Redirect 301 / https://b.com/
PHPのプログラムで設定する
★エンジニアに依頼推奨:プログラミング知識が必要
サイトをPHPで動かしている場合、ファイルの先頭に以下のコードを書いて転送させます。
<?php
http_response_code(301);header('Location: https://example.com/ccc');exit();
?>
SEO評価を下げないためのチェックリスト
301リダイレクトは正しく設定すれば強力なSEO武器になりますが、一歩間違えると検索順位の大幅な下落を招きます。設定時・指示出し時には、以下を必ず確認してください。
【設定のルール:構造を最適化する】
「1対1」で対応させる
古いページをすべてサイトTOPへ転送するのはNGです。Googleに「内容が関連していない」と判断されると、ソフト404として扱われ、SEO評価が引き継がれません。必ず内容が近いページへ1対1で繋ぎます。
リダイレクトチェーン(多段リダイレクト)を避ける
A → B → C のようにリダイレクトが重なると、ページの読み込み速度(Page Speed)が低下し、Googleのクロール効率(クロールバジェット)を悪化させます。
必ず A → C、B → C と、1回で目的地に到達するように設定を整理してください。
canonicalタグの更新を忘れずに
リダイレクトを設定した後の「転送先(新URL)」のページにあるrel=”canonical”が、正しく自分自身の新URLを指しているか必ず確認してください。ここが旧URLのままだと、検索エンジンが混乱し、評価の移転が遅れます。
【運用のルール:評価を定着させる】
少なくとも1年間は設定を維持する
GoogleがURLの変更を完全に理解し、評価の引き継ぎを完了させるには時間がかかります。そのため、最低でも1年間はリダイレクト設定を維持することが推奨されています。
302で「テスト」し、301で「本番公開」する
301はキャッシュが強力なため、一度間違った設定でSEO評価を落とすと修正に時間がかかります。まずは302でテストし、問題なければ301に切り替えましょう。
元に戻す可能性があるなら301を使わない
「恒久的な変更」である301を頻繁に切り替えると、検索エンジンからの信頼性を失います。一時的なキャンペーンなどは必ず302を使用してください。
設定後は必須!301リダイレクトが正しく動くかの確認する2つの方法
「設定したつもり」を防ぐため、以下の方法でステータスコードを確認しましょう。
Chrome拡張機能Redirect Pathを使う
Chromeの拡張機能Redirect Pathを使うと、どのURLからどのURLへ切り替わったのか、その足跡を辿れます。
Redirect Path: https://chrome.google.com/webstore/detail/redirect-path/aomidfkchockcldhbkggjokdkkebmdll/related?hl=ja
使い方は簡単で、ページ遷移でリダイレクトが行われると、Redirect Pathのアイコンが301のような表示に切り替わります。
アイコンをクリックすると、リダイレクトがどのような経路で行われたかの詳細が分かります。

【エンジニア向け】サーバーログを確認する
Webサーバーのアクセスログにはステータスコードが記録されているので、ログを確認することで301リダイレクトかどうかが分かります。
Apacheの場合、アクセスログ /var/log/httpd/ssl_access_log には6列目の項目にステータスコードが記録されています。
301リダイレクトが行われたときは、次のように301が記録されます。
192.168.1.1 - - [04/Aug/2021:20:53:08 +0900] "GET /blog/about-technical-seo.html HTTP/1.1" 301 255 "-" "Mozilla/5.0 ..."
301リダイレクトを設定できないときは
★エンジニアへ相談・依頼
サーバー設定に触れない場合の「代わりの手段」です。SEO効果は301より劣るため、最後の手段と考えてください。
1. meta refresh(メタ・リフレッシュ)タグを使う
HTMLの <head> という場所に、特別な1行を書き込む方法です。
- 書き方の例: <meta http-equiv=”refresh” content=”0; url=https://example.com/ccc” />
- ポイント: content=”0″ の部分は、待ち時間を表します。ここを必ず 「0」 にしてください。もし「1」以上にすると、一時的な移動(302リダイレクト)だと判断されてしまいます。
2. JavaScriptで飛ばす
プログラミングの力を使って、無理やり新しいページへジャンプさせる方法です。
- 書き方の例:
<script>
window.location = 'https://example.com/ccc';
</script>
まとめ
301リダイレクトは単なるURLの転送ではなく、「サイトのSEO資産(評価)の継承」です。
正確なマッピング表を作り、環境に合わせた最適な方法で実装する依頼をしましょう。
手順を徹底し、SEO順位を守りながら安全なサイト移行を実現しましょう!






