こんにちは、SEO分析ツール「アナトミー」開発チームの江頭です。
Google検索結果にFAQ形式のリッチリザルトを表示するには、Web ページに構造化データをマークアップします。ページにアクセスすることなく、FAQの質問・回答が分かるので、検索ユーザーにとっての利便性がアップします。また、FAQの回答にはHTMLタグも記述できるので、リンクを張ってサイトへ誘導させることもできます。
本記事では、HTML にFAQ構造化データを正しくマークアップする方法を詳しく説明します。
リッチリザルトについては、以下の記事を参考にしてください。
FAQの構造化データとは?
FAQ形式の構造化データは、質問と回答がペアになったデータ構造です。FAQ形式で構造化データをページに埋め込んでおくと、Google検索結果にリッチリザルトとして表示されます。
Google検索結果には、質問ごとにアコーディオン形式で表示されます。回答部分には、HTMLタグが記述できるので、見出し・リンク・強調表示が可能です。長い回答も記述できますが、300文字前後で省略される点には注意が必要です。
また、FAQの構造化データは、Googleアシスタントや音声検索の回答として利用されることがあるので、活用シーンは広そうです。
Q&Aの構造化データとの違い
FAQの構造化データと似たものに「Q&A形式の構造化データ」があります。
Q&A形式の構造化データは、1つの質問につき複数の回答があり、かつ回答がユーザーによって投稿されるデータ構造です。
簡単に言えば、「Yahoo!知恵袋」や「教えて!goo」のような質問サイトでのみ、使用される形式です。
製品やサービスを紹介しているページでのよくある質問は、「FAQ形式の構造化データ」を使うことになります。
JSON-LD形式で指定する場合
JSON-LD 形式では、構造化データを JSON 形式として、script タグ内に記載します。記載する場所は、head 内でも、body 内でも構いません。
以下は、FAQを3つ記載した例です。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "アナトミーとは何ですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "プロフェッショナル向けSEO分析ツールです。"
}
},
{
"@type": "Question",
"name": "テクニカルSEOとは何ですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "テクニカルSEOは、技術的な裏付けのあるSEO対策のことをいいます。Googleのガイドラインなどで明確に示されており、実施することが可能な施策です。"
}
},
{
"@type": "Question",
"name": "セミナーを開催していますか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "SEO分析やSEO改善のノウハウを分かりやすく解説する無料セミナーを開催しています。"
}
}
]
}
</script>
FAQの項目ごとに、構造化データ内で設定する項目は、以下の2つです。
項目 | 説明 |
---|---|
name | FAQの質問文です。 |
acceptedAnswer内のtext | FAQの回答文です。 HTMLタグ <h1> ~<h6> <br> <ol> <ul> <li> <a> <p> <div> <b> <strong> <i> <em> が利用できます。 |
回答文でHTMLタグを指定すると、次のように見出しやリンクを含むリッチリザルトが表示されます。
microdata形式で指定する場合
microdata 形式では、FAQ全体や質問・回答を表す要素に、itemprop 属性などの属性を追加します。属性を追加する必要があるのは、以下の5つの部分です。
対象 | 追加する属性 | 代表例 |
---|---|---|
FAQ全体 | itemscope itemtype=”https://schema.org/FAQPage” | ul タグ |
各FAQ | itemprop=”mainEntity” itemscope itemtype=”https://schema.org/Question” | li タグ |
質問文 | itemprop=”name” | span タグ |
回答全体 | itemprop=”acceptedAnswer” itemscope itemtype=”https://schema.org/Answer” | divタグ |
回答文 | itemprop=”text” | pタグ |
microdata 形式のFAQ構造化データの HTML サンプルです。
<ul itemscope itemtype="https://schema.org/FAQPage">
<li itemscope itemprop="mainEntity" itemtype="https://schema.org/Question">
<div itemprop="name">アナトミーとは何ですか?</div>
<div itemscope itemprop="acceptedAnswer" itemtype="https://schema.org/Answer">
<p itemprop="text">
プロフェッショナル向けSEO分析ツールです。
</p>
</div>
</li>
</ul>
リッチリザルトの表示をアナトミーで確認する方法
構造化データのマークアップが完了したら、SEO分析ツール「アナトミー」のリッチリザルト確認機能を使用して、リッチリザルトの動作確認を行います。
意図したリッチリザルトが出ていれば成功です。
リッチリザルトで表示されないときのチェックポイント
構造化データをマークアップしても、FAQがリッチリザルトとして表示されない場合は、さまざまな原因が考えられます。
まずは、構造化データに対応したSEOツールでチェックしてみることをお勧めします。
よくある原因は以下の通りです。
- 構造化データの構文エラー
- 当該URLがまだインデックスされていない
- FAQの数が少なすぎる
- FAQの数が多すぎる
- 構造化データで指定したFAQがページに表示されていない
原因1.構造化データの構文エラー
まずは、JSON-LD の構文エラーがないかどうかを Googleサーチコンソールで確認します。手順は以下の通りです。
- URL を入力して Enter を押下する
- URL 検査画面で [公開URLをテスト]ボタンをクリックする
以下は、JSON の書式エラーがあった場合の画面です 。
JSON で書き間違いが多いのが「,」(カンマ)です。{}ブロック内の最後に「,」を記述しないように注意してください。また、 /* */ や // といったコメントも記述できません。
もしくは、リッチリザルトテストツールでも構文チェックができます。エラーの対処方法については、以下ページに詳しくまとめています。
- 関連記事:リッチリザルトテストツールの使い方
原因2.当該URLがまだインデックスされていない
クローラーがまだページをクローリングしていない可能性があります。
Googleサーチコンソールで URL を入力し、[インデックス登録をリクエスト]ボタンをクリックしてください。
早ければ数分~数十分程度でクローリングされ、検索結果画面に表示されるようになります。
原因3.FAQの数が少なすぎる
FAQの数が2個以下の場合、リッチリザルトでは表示されません。
FAQの項目数を増やし、3つ以上になるようにしてください。
原因4.FAQの数が多すぎる
構造化データで多数のFAQを指定しても、最大で10個までしか表示されません。
11個目以後は省略されるため、優先度の高いものを先頭に配置するようにしましょう。
なお、FAQの11個目以降も、Googleアシスタントや音声検索へ利用される可能性があるので、FAQを無理に10個以内に減らす必要はありません。
原因5.構造化データで指定したFAQがページに表示されていない
Google の構造化データガイドラインでは、ページに表示されている内容と構造化データを一致させるように記載されています。
ページの読者に表示されないコンテンツをマークアップしないでください。たとえば、JSON-LD マークアップでパフォーマーが記述されている場合、HTML の本文でも同じパフォーマーが記述されている必要があります。
https://developers.google.com/search/docs/guides/sd-policies#content
構造化データで指定したFAQが実際には存在しないような場合や、大きく異なる場合は Google のガイドライン違反となります。ガイドライン違反があると、構造化データが認識されなかったり、最悪の場合は検索順位への影響もあります。
まとめ
以上、FAQを構造化データとしてマークアップする方法を説明しました。
FAQの構造化データは、サイト全体ではなく、「よくある質問」のように利用するページが限定されます。ポイントを絞った対応ができるので、ぜひFAQページに構造化データを実装するようにしましょう。
最後に弊社ではサーチコンソールとGA4データを1つにまとめて分析ができる「SEO分析ツール アナトミー」 を提供しております。運用しているサイトのSEOチェックを行うのに必要な機能が揃ったダッシュボードプランは全て無料でずっとご利用いただけます。是非、アナトミーに無料登録してサイトのSEOチェックをしてみてください。